複式簿記

先日、個人事業主も複式簿記を使って仕訳をしましょう!というお話をしました。

本日は仕訳の方法の入門編をお伝えしていこうと思います。

電卓を持った狐

仕訳内容は5グループに分かれる

では、例を見ながら進めていきましょう。

例)ミカン500円分を仕入れ、代金は現金で支払った。

は以下のような仕訳になりますが、この【仕入】や【現金】の部分が【勘定科目】と
呼ばれるものです。

日付借方勘定借方金額貸方勘定貸方金額
7月7日仕入500現金500

【勘定科目】自体は何個もありますが、全て5つのグループに分けられます。

これは覚えるしかありません。

  1. 資産
  2. 負債
  3. 資本(純資産)
  4. 費用
  5. 収益

の5つです。

更に、以下の形で覚えておいた方が良いです。

AB
資産負債資本
費用収益

因みに先ほどの例↓の【仕入】は費用のグループ、【現金】は資産のグループになります。

勘定科目がどのグループなのか、なんとなく把握し、増えたらどっち、減ったらどっちに記入するのかが分かれば第一関門はクリアです!

日付借方勘定借方金額貸方勘定貸方金額
7月7日仕入500現金500

では、それぞれのグループの特徴を見ていきましょう。

資産

【資産】はお金や売ったり、交換したりすれば、すぐお金と替えられるようなものです。

勘定科目としては

  • 現金
  • 預金
  • 商品
  • 土地
  • 売掛金

などがあります。

負債

【負債】は後々お金の支払いが必要になるようなものです。

勘定科目としては

  • 借入金
  • 未払金
  • 買掛金

などがあります。

資本(純資産)

【資本(純資産)】は、ビジネスの元手となったものやこれまで稼いだの利益積み重ねのことです。

いまいちよく分からないかもしれませんが、会社ですと「資本金」と呼ばれるものなどです。
個人事業主ですと「元入金」となります。

会社では「純資産」と呼ばれますが、今回は個人事業主の方専門に書いている記事ですので「資本」で覚えてしまいましょう。

  • 資本金
  • 元入金

などです。

費用

【費用】は、売上を出すために使われる「経費」と思ってもらって大丈夫です。

  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 旅費交通費
  • 給料

などがあります。誰か雇っているのであれば、「給料」もビジネスを行っている側からしたら支払うものですので「費用」になります。

収益

【収益】は、基本的には売上のことです。ただ、【収益】から【費用】を引いたものが【利益】ですので、そこはごちゃ混ぜにしないようにしましょう。

勘定科目は

  • 売上
  • 受取利息

などがあります。

ここで復習です。勘定科目は5つのグループに分けられる。

AB
資産負債資本
費用収益

です。

そして、

【A】の列にいる【資産】と【費用】が増えた場合は【借方(左側)】(減った時は逆)

【B】の列にいる【負債】【資本】【収益】が増えた場合は【貸方(右側)】(減った時は逆)

に記入します。

なので、

例)ミカン500円分を仕入れ、代金は現金で支払った。

の場合は

【仕入】という【費用】の増加(借方→左)
【現金】という【資産】の減少(貸方→右)

が同時に起こっているので、

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入500現金500

という仕訳になるのです。

ビジネス開始時の仕訳

開業届に記入した【開業日】以前に支払った経費のほとんどは【開業費】という【資産】グループに計上します。

名刺やパンフレットを作ったり、電話番号を取得した費用などです。

例えば「美容室を開業するにあたり、開業前にパンフレットを1万円分作成した

借方勘定借方金額貸方勘定貸方金額
開業費10,000元入金10,000

となります。

なぜ【費用】グループにならないのかというと、開業のための経費は開業した年だけの費用ではなく、数年ビジネスをするために支払った経費として処理をするためです。

5年に分割して計上します。

例えば、開業日までに50万円の開業費用がかかったとして、初年度に費用に計上するのは10万円ということです。

しかしこれには例外があります。

【任意償却】という制度ですが、ややこしくなるので今回はスルーして先に進みましょう。

事業主借・事業主貸

個人事業主には自分に対する「給料日」という概念が基本的にはありません。

しかし、生活費は売上の中から貰わないと生きていけませんね。

そうすると、どのお金が自分のプライベートのお金で、どのお金がビジネス用のお金なのか、
分からなくなってしまいます。

それに、プライベート用のクレジットカードで、事業用の備品を購入することだってあると思います。

そんな時に使われるのが

  • 【事業主借】
  • 【事業主貸】

という勘定科目です。

事業主のプライベートなお金から事業のお金を払ってもらった時は、
【事業主からお金を借りた】と考え、【事業主借】を貸方(右側)に記入します。

例)プライベートのクレジットカードで備品を10,000円分購入した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
備品10,000事業主借10,000

事業の売上から個人事業主の生活費を使った場合は、
【事業主にお金を貸した】と考え【事業主貸】を借方(左側)に記入します。

例)生活費のため、ビジネス用の口座から30,000円をおろした。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
事業主貸30,000預金30,000

となります。

お疲れ様でした!本日の記事はここまでです。
ここまで分かればとりあえず第一関門は終了です!

続きは別の記事にてお知らせします。

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